同性婚は、ヨーロッパや欧米諸国では法律で認められているのに、
日本はなぜいつまでも合法化して認められないのでしょう?
理由は、
同性婚=“違法ではないけど合法でもない“
という曖昧な解釈ができる日本国憲法の記述が元凶となっているからです。
最近では、
“同性婚を認めないのは憲法違反“
として、提訴する例も多く聞かれます。
今回は、日本の同性婚に対するデメリット&デメリット、賛成意見&反対意見、
そして、いつごろ合法化されそうかなどについても調べてみました。
同性婚は日本でなぜできない?認められない理由
「同性婚を法的に認めれば、家族のカタチそのものが崩壊する」
「同性婚を認めると少子化が進む」
…などなど、日本で同性婚を認めない意見としてよく言われるこのような説明。
そもそも日本の結婚制度は、明治以降に始まった制度。
「先祖代々」とか「家系」というものを重んじてきた日本の風潮が強く影響していて、
結婚=男女1対1の異性同士が子孫繁栄のために行うもの
という考え方が前提にありました。
つまり、憲法が制定された時は、
結婚=相思相愛の人間が一緒にいること、それは同性同士もあり得る
ということを、想定する人は、当時誰一人いなかったということ。
これこそが、日本で同性婚が法的にいつまでも認められない理由があります。
「異性愛主義」が日本での生きづらさ
同性婚事態をまだ法律で認めていない日本では、
「自分は同性が好きかもしれない」
と気づいたら「自分は普通じゃないんだ…」と悩む同性愛者の人が多く、気づけば自分を責めてしまう傾向があります。
個性よりも“集団の和“を重んじる日本の文化の背景もあり、
「他の人と違う」⇒「悪」
と結びつけ、同性愛者である自分を最初に差別していしまうのは、ほかでもない自分自身の「常識」や「普通」なのです。
世界的に広がる同性婚を認める動き
一方で、世界では2019年8月現在すでに27の国で同性婚が認められていて、合法化する国の数は年々増加しています。
日本でも、自治体レベルですが「パートナーシップ制度」が広がりを見せていますし、同性カップルの法的保障についても議論が少しずつ進み始めています。
この先、果たして日本で同性婚は実質「可能」なんでしょうか?
日本における[法律婚][異性間の事実婚][同性カップル]の保障の違いは?
今の時代、男女の異性同士であっても「法律婚(結婚)」という形はとらずに、「事実婚」というのは珍しくないですよね。
「事実婚」であっても、実は法的に保障されている部分もあります。
- 法律婚(結婚)
- 異性間の事実婚
- 同性カップル
で法的にどんな違いがあるのか簡単に紹介します。
引用:https://www.huffingtonpost.jp
サッと見たところ、日本においては異性同士の事実婚であっても、法的に効力は薄いのが分かります。
でも、
「浮気された場合の損害賠償」
は異性間の事実婚でも補償対象となるというのは初めて知りました…。
結婚が認められると、このような権利が守られますよね。
- 遺産相続
- 財産分与
- 福利厚生
- 病院での面会
- (国際結婚なら)配偶者ビザ など
これらは、異性婚では当たり前に法で守られることです。
もともと不便を考えなくていい場合と、全くないのとではずいぶん違いがあります。
「家族」として認められなければ、同性パートナーの事故や急病時に面会できなかったり、
死亡したら親族としても扱われず、財産分与などももちろん対象外。
ここぞという緊急事態の時は、なによりも大事な「家族」という繋がり。
想像してみてください。
大事な恋人が入院した時、「あなたは家族じゃないから」という理由で面会を拒否され、
詳しい病状も知らされません。
もちろん、お葬式も火葬に同席できず、蚊帳の外。
「愛する人がつらい時に支えてあげたい」
「サポートをうける『権利』が欲しい」
と思う気持ちは皆同じなずなのに、「パートナーが同性である」というだけで、
生涯にわたって支え合う権利がないという現状は、本当に辛いことだと思います。
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同性婚は日本でいつ合法になる?カギは憲法24条
日本で同性婚を認めるか認めないかの議論で挙げられるのが憲法24条の内容です。
そこには
「(結婚に際して)両性の合意」
という記述が、
「両性」=男女を指しているのか?
または
「両性」=同性を指しているのか?
と人によって解釈が分かれる点です。
そもそも、本来の憲法24条の
「両性の合意」
という意味は
を意味しているので、どちらにも解釈ができるのが現状のため、この点こそが、もめ事の最大の元凶になっているんです。
同性婚・反対派の解釈
憲法24条=『家庭内の男女の平等』が前提である
という解釈です。
憲法24条にいう『婚姻』は、家庭内に男女の両方がいる『異性婚』だけのことを指していると読むのが自然。
ですから憲法24条は、異性カップルにのみ適用されるもので、同性カップルには適用されないことが通説になっています。
つまり、憲法24条は、当時の家庭内の男女平等のために作られている法律なので、
男女間の不平等がない同性カップルには適用されないことになります。
同性婚・賛成派の解釈
憲法24条=同性婚についてそもそも記載がない=憲法では同性婚が禁止されていない
という解釈です。
憲法24条では『異性婚は、男女の合意があれば、それだけで成立』ということを前提に、同性婚については何も記載がありません。
つまり、この条文は、同性カップルに法律婚の地位を与えることを禁じているわけではない、という主張ですね。
同性婚を認めないのは「男女平等」の理念にも違反?!
憲法24条=同性婚を禁止していないということに加えて、同性婚を認めないということは、憲法14条の「平等原則」に違反しているのではないかとの意見もあります。
同性婚の賛成派の意見をまとめると、
・憲法24条は同性婚については何も触れておらず禁止はしていない
・異性婚しかない状態は憲法14条の平等原則に反している
という主張です。
憲法の記述が、同性婚に対し反対でも賛成でもない現状
つまりは、一言でいうと、日本の憲法や法律自体が時代遅れの内容で、現代に適応していない、という事です。
憲法が制定された明治時代は、まさか、時代を経て同性同士が結婚するというよう状況は誰にとっても「想定外」。
同性婚=非常識だ!とう概念すら、当時はもともとなかったのでしょう。
同性婚のメリット・デメリット
日本の憲法では、今のところ
同性婚=禁止・憲法違反
というワケではないということは分かりました。
では、具体的にもし憲法で同性婚が認められたと仮定して、同性婚のメリットやデメリットは何があるでしょうか。
同性婚のメリット=感情優先
同性婚を認めるということは
差別反対、人間は誰でも平等に幸せになる権利がある
という考え方を優先するとも言えます。
今の時代、世界的に見ても同性婚に対しては寛容な動きがありますし、合法化する国もどんどん増えて、常識は刻々と変化していますよね。
「愛する人と一緒に居たい」
というのは、どんなに時代変わっても普遍的な考えであり、人間らしい自然な感情で、対象が同性か異性かというのは問題ではありません。
ただ、その感情が
「愛する人と一緒に居たい」=「愛する人の子供を産みたい・子孫を残したい」
とイコールになるかどうかはまた別だと思います。
「今、自分はこの時代を精一杯生きる!そして愛する人と一緒にいるんだ」
という、「自分」という唯一無二の存在を大切に愛する価値観が強いからこそ、
理屈抜きで「(異性でも同性でも)相手のことが好き!」となるのではないでしょうか。
同性婚のデメリット=理屈優先
同性婚を認めると「少子化が進む」「家族が崩壊する」といった声はよく聞かれますね。
よくトンチンカンな国会議員が
「女性=子供を産むもの、子供を生産するもの」
なんていう趣旨の発言をして大炎上してます(笑)
でも、これは氷山の一角であって、実際に、日本ではまだまだこのような考えは根強くあると思います。
もちろん絶対数では「異性を愛する人」の方が多いですし、同性愛者を理解できない人からすれば、
理解できないこと=不可解で気持ちが悪い
と思う人が多いのは、否めません。
でも、現在は、あらゆることが多種多様化し、若い世代ほど同性婚に対して寛容になりつつあるのは明らか。
「これが常識」
と一定の枠にはめて、理屈だけで通すことは難しくなってきています。
どんな意見も受け入れて、そして調和がとれるような仕組み作りが、多方面で必要になってきているんだと思います。
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同性婚に対しての反対意見の現状・提訴に対して厳しい意見が多数
最近は、
同性婚がみとめられないこと=違憲
として、提訴を起こす例も沢山出てきています。
しかし、そのたびに「反対意見」も多数、ネットではたびたび炎上しています。
世間の多くの人は、どんな点に「反対意見」や「違和感」を持つのでしょうか。
同性婚に対してネットでの賛成意見
今回の同性婚提訴。私は凄い勇気をもらった。あの人たちは自分たちの権利のことだけを考えて提訴した訳じゃない。彼らや彼女たちの前に生きた人たち、そして後ろに続く人たちの想いも背負ってる。私はMtFとしてしっかりと生きなくちゃと思っている。偉大な先人たちと、後から来る人たちの為に。
— life of kei (@lifeofkei1) 2019年2月19日
#同性婚 進まぬ法整備 県内男性ら、きょう提訴 「生活で必要な権利認めて」 /香川
きょう、提訴しました。https://t.co/NB52A049A7— 毎日新聞高松支局 (@takamatsu_mai) 2019年2月14日
同性婚に対してネットでの反対意見
だったらロリコンも認めてやらないと「差別」になるよね。
と、賛成意見・反対意見ともにいろいろな意見がありました。
前例がないことに加え、圧倒的にマイノリティ(社会的少数者)という立場での提訴。
異性同士の結婚なら、なんら普通のことなのに、わざわざ提訴をしなければならないという日本の同性婚の現状。
まだまだ道のりは長そうです。
同性婚とパートナーシップ法の違い
「同性婚」の話題には「パートナーシップ制度」という言葉もよく聞かれますよね。
実際に、パートナーシップ制度と同性婚はまったく違うものです。
日本のパートナーシップ制度とは
日本で現在、パートナーシップ証明書や宣誓書が発行されている地域は8都市あります。
2015年11月~東京都渋谷区 28組
2016年4月~三重県伊賀市 4組
2016年7月~兵庫県宝塚市 0組
2016年7月~沖縄県那覇市 21組
2017年6月~北海道札幌市 42組
2018年4月~福岡県福岡市 18組
2018年7月〜大阪府大阪市 3組
2018年8月〜東京都中野区
2019年4月予定 千葉県千葉市
時期未定 東京都港区
時期未定 埼玉県さいたま市
(2018年6月 神戸新聞ネクスト調べ)
自治体レベルの決まり事なので、内容はさまざま異なりますが、パートナーシップ制度を取り入れる地方自治体はどんどん増えています。
法的拘束力はないものの、同性カップルを「パートナー」として認め、
交付書類(「証明書」「宣誓書受領証」など言い方はさまざま)
を交付するのが一般的です。
2015年11月に東京都渋谷区と世田谷区が先駆けて実施、書類を提示することで、家族向け公営住宅に入居できたり、生命保険金の受取手続きができたりなどの活用が広がっています。
また、三重県伊賀市では市立病院でパートナーの病状説明が聞け、手術に同意できるようにしたり、携帯電話の家族向け割引や職場の福利厚生制度にも適用が広がっています。
同性婚や事実婚の制度が進んでいるフランスでは、異性間でも同性間でも利用できるパートナーシップ制度も存在します。
国によって、認識や制度の内容は本当にさまざまです。
日本における同性婚の代わりは?
同性婚が法律で認められていない日本で「家族」同様の権利を受け取れるようにするためには、代わりにどんな方法があるでしょう。
方法1)養子縁組制度
同性のカップルが「結婚」の代わりに利用する代表的なものに「養子縁組」という法的措置があります。
これはカップルで歳上の人が「親」になり、もう一方が「子」という関係で親子になり、家族としての権利を受けとるようにするというもの。
ただこれは、愛する相手と「親子」という関係になり「対等な関係」ではないので、抵抗を感じるカップルも多いです。
方法2)パートナーシップ制度
先ほどお話ししたように、養子縁組制度に代わり、いくつかの自治体で導入されているのが「パートナーシップ制度」。
現在、渋谷区や世田谷区などごく一部の地域でのみ認められていて、パートナーとの権利も自治体によって範囲が異なります。
【関連】同性婚が認められる国一覧!死刑もある世界の現状調査!
しかし、これはパートナーシップ制度がある地域在住であることが条件で、異性間の結婚よりも手続きが煩雑。
法的に認められた結婚よりも、権利の範囲が限られています。
(参考:渋谷区役所『パートナーシップ証明に対するよくある質問』)
方法3)海外で結婚⇒移住
同性婚が認められている国は既に27カ国。(2019年8月現在)
しかし、海外で結婚を挙げたとしても、もちろんその関係は日本では認められません。
すなわち、海外で結婚をしてそこに移住をしなければいけない、ということです。
経済的・時間的・価値観的に何ら問題ないカップルならいいのですが、現実的にはかなり難しいと考えられます。
同性婚は日本でなぜ認められない?いつ合法になる?デメリットや反対意見まとめ
日本の世論の方向性としては、世界的な動きもあり、同性結婚を認める方向に向かっているとは思います。
なによりも普段の暮らしの中で、テレビのタレントやイベントを見ても、同性愛者に対しての理解は広まりつつあると思います。
日本では、結婚というのは子供を育て、子孫繁栄していく「家系」という観念がまだまだ強くありますが、色んなことが多種多様化していくなかで、
結婚のカタチ、恋愛のカタチも変化するのは自然の流れだと思います。
実際に先進国G7
の中で、同性婚の法整備が遅れているのは日本だけなんですね。
賛否両論いろいろあれど、色んな人の権利を平等に尊重する準備が、日本は遅れていると言わざるを得ませんね。
とはいえ、同性愛者を厳しく罰し、死刑や禁固刑、懲役を課せられる国も世界にはたくさん存在します。
詳しくは
[同性婚が認められる国一覧!死刑もある国はどこ?現状を調査!]でまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!